実家の生活インフラである電気・ガスの手続きは、かつては地域の大手電力会社・ガス会社(東京電力や大阪ガスなど)に電話すれば終わる簡単なものでした。
しかし、規制緩和による「電力・ガスの小売り自由化」以降、親がスーパーの店頭や訪問型営業で聞いたこともない新電力会社と契約しており、遺族が「どこに電話すれば止まるのか分からない」という事態が頻発しています。
本記事では、自由化特有の解約トラブルと、実家の資産価値を守るための「電気とガスの正しい解約タイミング」を解説します。
1.「契約先が分からない」自由化の落とし穴
親が亡くなり、実家の電気を止めようと地域の電力会社(例:東京電力)に電話したところ、「お客様のご実家は現在、弊社とは契約しておりません」と冷たく返される遺族が増えています。
親が過去に「携帯会社」や「ポイントカードの会社」、さらには「訪問販売のウォーターサーバー会社」などを経由して、電気とガスの契約を切り替えてしまっているためです。
「〇〇エナジー」「〇〇サプライ」といった一見するとネット系企業のような名前の企業が、ご実家の電気を供給している契約元になります。
2:「セット割」による予期せぬ一斉停止リスク
電気とガス、さらにはインターネット回線が「セット契約(おまとめ割など)」になっている場合、片方だけを操作することで予期せぬトラブルが発生します。
| セット契約の例 | 解約時のトラブル |
|---|---|
| 電気+都市ガス | 片方だけ残そうとしたが、セット契約の規約上「個別解約不可」と言われ、手続きが頓挫する。 |
| 電気+謎のオプション | ウォーターサーバー等の月額レンタル代が付帯しており、解約時に数万円の違約金が発覚する。 |
必ずオペレーターへ電話した際に「他に紐づいているサービスや違約金がないか」を真っ先に確認してください。
3. 片付け時の鉄則:電気は残し、ガスは即解約せよ
親が亡くなると焦って全てのライフラインを止めてしまいがちですが、実家という不動産を売却・維持・整理するにあたり、これは悪手(特に電気と水道)となります。水道契約をいつ止めるか? 漏水リスクと契約継続の判断基準も併せて確認してください。
🟢 電気:当面は「契約・通電」を残す
遺品整理で掃除機を使う、夜間に作業する、夏場にエアコンが必要など、電気が無いと実家の整理は100%行き詰まります。
月に数千円の基本料金はかかりますが、家を完全に引き払う(または売却する)その日まで解約してはいけません。使わない時は「ブレーカーを下ろしておく」のが正解です。
🔴 ガス:火災リスクのため「即時解約(閉栓)」
反対に、誰も住まない実家にガスを通しておくメリットは一切ありません。ガス漏れや不法侵入者による火災のリスクが極めて高くなるため、死亡確認後、即座にガス会社へ電話し「閉栓(へいせん)」を行ってください。
4. 主要電力・ガス会社の公式手続きリンク集
大手インフラ企業の場合、死亡による解約窓口を備えています。手元に「検針票(お客様番号がわかるもの)」をご用意の上で手続きを行ってください。インフラ解約は、実家じまいの全行程:銀行・遺品整理・不動産処分を完了させるロードマップの最初の一歩に過ぎません。全体の流れを常に把握して、漏れなく進めましょう。
⚡ 東日本エリア(電気・ガス)
⚡ 西日本エリア(電気・ガス)
🏢 新電力・新ガス(自由化サービス)
明細から契約先が判別できない場合、経済産業省に登録されている事業者一覧から企業名や連絡先を検索するのも一つの手です。※個別のキャリア系サービス(auでんき等)はそれぞれのお客様サポートへ電話してください。