手続きの難易度
数万円単位
違約金・機器損害金リスク
黒いルーター
絶対に捨ててはいけない物

実家の片付けにおいて、手続きが非常に複雑になりがちなのが「インターネット通信(光回線・プロバイダ)」の解約です。

「契約した親が死亡したら免除されるだろう」という甘い考えは通用しません。更新月以外の違約金や工事費の残債は一括請求され、それに紐づいたスマホ料金まで連鎖的に跳ね上がる危険性を抱えます。

本記事では、光コラボやプロバイダの解約において、代理人や家族が陥りやすい「4つの金銭的トラップ」と、安全な解約手順を解説します。

1.片付けでルーターを捨てると数万円の損害

実家の片付けでゴミ袋に入れられそうになっている黒いルーター
NTTやプロバイダのロゴが入った機器はすべてレンタル品(借り物)です

実家の片付け中、ホコリをかぶった黒い弁当箱や白いお重のような機械(ルーターやONUと呼ばれる回線終端装置)を「親のものだ」と思い込み、燃えないゴミに出してしまう人が後を絶ちません。

これらはすべて回線事業者からの短期または長期の「レンタル品」です。

捨ててしまった場合のペナルティ 影響度 損害の目安
機器損害金(ONU・モデム) 約 10,000円 〜 15,000円 / 1台
レンタルWi-Fiルーター損害金 約 5,000円 〜 10,000円
解約違約金・工事費残債(※別枠) 数千円 〜 数万円(原則免除なし)

解約手続きを終えると、数日後に「機器返却用の専用キット(段ボール)」が送られてきます。それに詰めて送り返さない限り、解約は完了せず高額な損害金(本体代金)が請求されるため、機器と電源コード類は絶対に確保してください。

なお、部屋の脇で埃をかぶった古いオーディオやカメラは、市場価値のあるビンテージ家電・音響資産として高額買取の対象になる可能性があるため、分別時に注意が必要です。

2.スマホ・セット割の崩壊で家族の通信費が激増

ドコモ光、ソフトバンク光、auひかりなどの「光コラボ(回線とプロバイダの一体型)」を親名義で契約している場合、非常に厄介な連鎖反応が起きます。

❌ 即座に解約する失敗

親の光回線を解約した瞬間、そこに紐づいていた「子供や孫」のスマホ料金のセット割引(毎月1,000円〜2,000円/台)が即座に無効になります。家族3人なら毎月最大6,000円もスマホ代が跳ね上がります。

✅ 割引先の再構築を優先

ネットを解約する前に、代表回線(セット割の主軸)を存命の家族へ名義変更するか、新たな光回線契約(引越し手続き等)を行ってから実家の回線を落としましょう。

スマホ・携帯の解約:キャリアショップへ行く前のデータ保全と「親のID」管理の相談と併せて、携帯ショップで調整を行ってください。

3.古い実家特有の三重契約放置

最近のネット契約は光コラボ(回線とプロバイダの一体型)が主流ですが、昔ながらの一軒家の場合、さらに事態が複雑化しているケースが多々あります。

eo光の機器
関西で高いシェアを持つeo光(関西電力系)など、NTT以外の独立系回線と機器が実家に鎮座しているケースもよくあります

これら3つすべてが別々の会社との契約として同時に生きており、別々に請求されている実家が非常に多いのです。

【警告】一部だけ解約して安心する罠 NTTの回線と電話だけ解約して「これでよし」と放置し、プロバイダ料やオプションが親のクレジットカードや別口座から何年も引き落とされ続けるケースが後を絶ちません。

利用明細を徹底的に洗い出し、引き落とし元をすべて確認してください。

4.光電話消滅による実家の電話番号ロスト

ネット回線に「光電話(固定電話サービス)」が付帯している場合、ネットを解約した瞬間に実家の電話番号(03-XXXX-XXXXなど)は消滅し、二度と使えなくなります。

もし親族が実家を引き継ぎ、その「先祖代々の電話番号」を残したいのであれば、ネット回線の解約手続きをする前に、NTTへ連絡して「アナログ戻し(=加入電話の権利に戻す工事)」を完了させなければ手遅れになります。

5. 被害を最小に抑える解約の手順

  1. 【確保】ルーター類とNTT関係の書類を回収する
    実家の黒い箱や白い箱=モデム周辺を探し、「お客様ID(CAF番号等)」が書かれた開通時の書類(本体にシールで添付の場合もあり)を確保します。機器本体は決して捨てないでください。
  2. 【特定】明細から「引き落とし先」をすべて特定する
    NTTファイナンス、ドコモ、KDDI、あるいは各種プロバイダなど、どこから毎月請求が来ているか(複数ないか)を明確にします。
  3. 【確認】固定電話とスマホの割引への影響を判断する
    実家の電話番号を消していいか、家族のスマホ代が上がらないかを見極めます。
  4. 【実行】カスタマーセンターへ電話し解約&機器返送
    事業者の専用窓口へ電話し、死亡解約を申請します(数千円〜数万円の工事費残債・違約金が発生する覚悟が必要です)。後日届く専用キットで機器を返却し、完了となります。

    デジタル遺品の整理は、実家じまいの全行程:銀行・遺品整理・不動産処分を完了させるロードマップの中でも特に「見えない固定費」を削る重要なフェーズです。

6. 主要インターネット・光回線の公式解約窓口

※ ドコモ光、ソフトバンク光、auひかり等の「光コラボ」は、各スマホキャリアの死亡解約窓口での手続きとなります。NTTフレッツ光の場合は東西で窓口が異なります。

🏢 NTT東日本(フレッツ光)

原則として局番なしの「116」への電話対応となります。機器の返却は郵送キットで行います。

🏢 NTT西日本(フレッツ光)

局番なし「0800-2000116」への電話が基本となります。名義変更(承継)も合わせて相談可能です。

🔴 ドコモ / ⚪ SoftBank / 🟠 au

各社のスマホ(携帯電話)契約者が死亡した場合の各種解約手続きルールが、そのまま光コラボにも適用されます。

🔵 旧プロバイダ各社

OCN、BIGLOBE等のプロバイダは各社で窓口が異なります。「プロバイダ名 死亡 解約」で検索し、自力で探す必要があります。