スマホやネット回線とは別に、親世代が古くから契約しているインフラがNTTの固定電話(アナログ回線)とケーブルテレビ(J:COMや地域のCATV)です。
これらはデジタルな手続きとは無縁であり、権利の相続や物理的な撤去工事という非常に重たい現実行動を伴います。
本記事では、「解約」という言葉を使うと損をしてしまう固定電話のルールと、解約によって実家のテレビがただの箱と化すCATVの実態を解説します。
1. 固定電話を「解約」すると資産(加入権)が消滅する
親世代の誰もが持っている市外局番から始まる実家の電話番号。
これを止めるためにNTT(116)へ電話した際、オペレーターから「解約(解除)」か「利用休止」か「一時中断」かを問われますが、無暗に「解約」を選ぶと、一つの権利を失います。
🔴 解約(契約解除)
権利を「完全に捨てる」手続きです。親が数万円を払って取得した電話加入権(施設設置負担金)という権利が消滅します。
後日、家を売る際や誰かを居住させる際に加入権を復旧できません。
🟢 正解:「利用休止」の手続き
基本料金は無料になり、電話は止まりますが、最長10年間「NTTに加入権を預けておく(権利を維持する)」ことができます。
並行して、実家の電気・ガスの解約:通電維持のメリットとガスの即時閉栓も進め、固定費の徹底的な削減を図りましょう。
※これには、「加入権の名義変更(承継手続き)」が必要となり、戸籍などの書類提出が求められます。
※なお、市場での加入権の売却価値は現在ほぼゼロ円(業者買取不可)です。将来的にその番号や回線を再利用するならば、必ず「休止」を選んでください。
2. CATV解約に伴う高額な立ち会い撤去工事
J:COMや地方のケーブルテレビ局の契約は、ルーターを郵送ボタンで送り返すだけでは終わりません。家の壁に穴を開けて電線からケーブルを引き込んでいるため、必ず物理的な撤去工事が発生します。
また、この撤去工事には数千円〜数万円(高所作業車が必要な場合など)の費用が請求されます。
3. CATVがなくなると地デジすら映らなくなる
ケーブルテレビ解約の真の落とし穴は次に住む人がテレビをつけた時に発覚します。
| 解約時の結末 | 理由と対策 |
|---|---|
| 突然、民放やNHK(地デジ)が一切映らなくなる | 親は地デジ電波を自前のアンテナではなく、ケーブルテレビの線を経由して受信していたためです。 |
| 対策:数万円の地デジアンテナ新設が必要 | 家を誰かが引き続き利用・居住する場合、解約に合わせて屋根に新品の「地デジ用アンテナ(八木式やデザインアンテナ)」を数万円〜10万円かけて設置する追加工事が必要になります。 |
もし、実家を短期間でも利用するなら、アンテナ工事の業者を手配するまで、むやみにCATVを解約してはいけません。
4. 手続きのアクションプランとリンク集
- 固定電話の「休止」と「承継」を申し込む
NTT東西の「116」に電話し、「加入権を承継したうえで利用休止したい」と伝えます。送られてくる書類に戸籍や、本人確認や世帯消滅の証明に必須の共通書類リストを同封して返送します。 - CATVの契約先を特定し、撤去の見積もりをとる
J:COM等の毎月の引き落とし明細を確認し、解約を申請します。解約時期(立ち会い工事可能な日)の調整と、撤去費用の見積もりを確認します。 - アンテナ代替の手配(必要な場合)
実家に誰も住まず解体・売却するならそのまま撤去して完了です。誰かが住むなら、撤去日までに町の電気屋やアンテナ専門業者へ「地デジアンテナの新設」を依頼しておきます。
これらの物理的なインフラ整理を終えれば、実家じまいの全行程:銀行・遺品整理・不動産処分を完了させるロードマップは中盤戦を突破したと言えます。
※以下は主要な窓口へのリンクです。CATVは地域によって業者が完全に異なります。
📺 J:COM(ジェイコム)
国内最大のケーブルテレビ局。解約や承継の手続きにはWEBからコールセンターへの予約・連絡が必要です。
📺 その他の地方CATV
明細書に記載の企業(例:イッツコム、CCNetなど)の「お客様センター」へそれぞれ電話して撤去工事の日程を調整してください。